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個人事業主の確定申告

自宅作業の個人事業主の家賃の按分割合は?水道光熱費はどうしたら良い?

按分

自宅件事務所の場合は、家賃や水道光熱費など、生活費と事業費が混在して請求されるものを「家事関連費」といい、経費として計上できます。
ただし、全額計上出来るわけでは無く、事業に使った部分のみとなるため、「按分(あんぶん)」する必要が出てきます。
按分をうまく使うことで払う税金を安くすることもできますし、逆に知識がないことで、按分した金額を経費として計上できなくなることもあります。

そうならないためにも、実際にどれくらいの金額を計上出来るのかをこのページで解説していきます。

 

家賃や水道光熱費などの按分比率はどれくらい?

「家事関連費」については、この科目については○○%と決まっていません。
これは各科目の全体金額から使用割合を算出し、個人事業主が自分で決めて良いとされています。

ただし、この按分率には根拠が必要です。
税務署に聞かれた際、例えば家賃であれば50㎡中、事業には30㎡使用しているので60%計上していますと言えるよう、必ず突っ込まれても大丈夫なようにしましょう。

事業に使用している部分が50%以上か、それ以下でも明確に区分出来れば必要経費として扱える

家事関連費については、国税庁で定義がなされています。

令第96条第1号に規定する「主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち当該業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定するものとする。ただし、当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない。

引用元:国税庁〔家事関連費(第1号関係)〕

経費かどうかは業務上必要な部分が50%を超えるかどうかで判断されます。
ただし、50%以下であっても、その必要部分を明らかに区分することが出来る場合は、経費として認められます。

個人事業主が家事関連費として按分出来る科目

家事関連費として計上出来る科目は以下となります。

  • 家賃:仕事で使っている床面積
  • 光熱費:使用時間、電気代であればコンセントの数などで計上
  • 電話代・インターネット料金:使用時間
  • 車の原価償却費・ガソリン代:走行距離または、仕事に使った日数

持ち家の住宅ローンの元本は必要経費になる・ならない?

持ち家の住宅ローンの元本は必要経費として計上はできません。
賃貸であれば、家賃から按分できますが、住宅ローンの元本は現状不可能です。

ただ、減価償却費、住宅ローンの金利、固定資産税、火災保険料、管理費、修繕積立金は経費にできるのでこちらも事業分の割合を掛けて経費にできます。
ただし、住宅ローン控除を受けていた場合は注意が必要です。

新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の半分以上が事業割合になってしまうと控除が受けられなくなります。

新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
(注) この場合の床面積の判断基準は、次のとおりです。

1 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。

2 マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。

3 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。

4 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
しかし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する部分(専有部分)の床面積によって判断します。

引用元:国税庁:住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除)

このように定義されていますので、事業用の割合については注意が必要です。

家事関連費の各科目の按分の考え方

家事関連費の按分は科目によってことなってきます。

以下に各科目の考え方を乗せますので、参考にしてください。

 

家賃の按分比率計算方法

家賃の按分比率の計算方法は2つあります。基本的には、家の面積にから計算する方法と使用時間から計算する方法となります。

1.面積から計算

按分

家の面積が50㎡あり、仕事に関連するパソコン・資料を収納している棚や机など、個人事業主の業務に使用している面積が30㎡だとすると仮定して算出します。

30㎡(事業スペース)÷50㎡(自宅総面積)=0.6

上記の通りとなり、按分比率は60%です。
家賃が100,000円だとしたら、60%にあたる60,000円を家賃として計上できます。

2.プライベートを兼ねるものは使用時間から計算

家賃と異なり、駐車スペースは業務時間内は100%使用していることになりますが、車をプライベートでも兼用利用している場合、業務時間外の使用率プライベートになるため当然ながら事業の使用は0%になります。
このような場合は、業務時間の比率から駐車場台を算出します。

業務時間割合

図にあるように、1日8時間業務した場合、時間比率としては33%となるため、その分は計上できることになります。
しかし、個人事業主の場合、1日の労働時間が不規則になるケースが多々あります。
そういった場合は大きく労働時間を外れない限り、概算で按分しても問題ないです。

電気代の按分比率計算方法

光熱費も事業に使った部分は按分することが可能です。こちらも家賃と同様に計算方法が2つあります。

1.業務時間から計算

1週間の業務時間の比率を算出し、毎月の電気代金にその比率をかければ計上するべき金額が算出できます。
月の電気代が10,000円で、月間の50%が業務時間だった場合、5,000円を計上することができます。
これは上の駐車場の図と同じ考え方です。

2.コンセントの数から計算

自宅にあるコンセントの差込口に中から、業務に使用している差込口の数から比率を求めます。
例えば自宅のコンセントが10個あり、そのうち4個を事業で使用している場合、

4個(事業で使うコンセントの数)÷10個(自宅コンセントの総数)=0.4

上記の通りとなり、電気代が10,000円だった場合、4割にあたる4,000円が経費として計上できます。

電話やインターネットの通信費の按分比率計算方法

通信費に関しても按分可能です。
こちらに関しても、2通りの算出方法があり、使用日数でも使用時間でも計算することが可能です。

1.使用日数から計算

1週間のうち、電話・インターネットを使用する日数から按分比率を計算します。
週5日業務している場合は以下の通り算出できます。

5日÷7日=0.7

電話・インターネットの代金が2万円だった場合、20,000円の70%にあたる14,000円が経費として計上可能です。

2.使用時間から計算

日の平均使用時間の比率を出し、月の通信代金にかければ1ヶ月に計上できる金額が計算出来ます。
これも、上にある駐車場の労働時間の考え方と一緒ですね。

車両のガソリン代の按分比率計算方法

車両のガソリン代金も按分出来る科目です。
業務として車両を使用した際、走行距離から計算する方法と業務に使用した日数から算出可能です。

1.走行距離から計算

この計算方法は、業務に使用した走行距離をその都度記録する必要があるのと、1リットルあたり何Km走るかも知らなければなりません。
走行距離から使用したガソリンの量を計算し、その分ガソリン代を計上できます。

2.業務の使用日数から計算

車の場合はプライベート兼用の方が多いので、日数計算で計上する方がわかりやすいです。
例えば、週のうち平日の5日間は業務のみに使用し、残り2日は完全にプライベートでしか利用しないパターンが多いからです。
上で書いた内容と同様に、使用する日数から按分比率を計算します。
1週間で車を使用する日数を7日で割、按分比率を出し、計算をすれば、計上出来る金額が出てきます。

会計ソフトを使って業務を効率化する

自宅作業をされている個人事業主の方で、上記に該当する科目を経費として計上していない方は、すぐに対応した方がメリットがあります。
これまでに説明した通り、業務に関わる部分は経費として計上することができるので、しっかりと計上することで、節税をしていきましょう。

なお、会計ソフトであれば、この部分を簡略化することが可能ですし、経理にかかる時間を大幅に短縮することができます。
例えばフリーなら家賃を按分する際も楽にできます。

メニューの確定申告をクリックし、その後「家事按分」を選びます。

 

出てきた画面の「+新しい家事按分を登録」をクリックし

勘定科目は「地代家賃」、品目名は「事務所家賃」、このページで説明した事業比率は「60%」で設定します。
すると、過去の取引登録まで遡り、家賃のうち事務所使用分が地代家賃として登録されます。

このように、会計ソフトを使えば、楽に按分が可能です。
経理のことが判らない状態での作業は大幅な時間がかかってしまい、本業がおろそかになる可能性もあります。
あなたが経理に使う時間は会計ソフトを使い大幅な短縮をして、本業に時間を当てましょう。

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