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事業主貸・事業主借、上手な事業費と生活費の分け方

事業主貸・事業主借、上手な事業費と生活費の分け方

個人が事業を行う場合、多くの場合に見られる会計上の問題点があります。

それが個人の生活費と事業のための事業費の二つが混同されてしまうという事です。

これらの生活費と事業費を分けて記録する事は正確な事業の業績を記録する上では欠かせない事になります。

また、この事業費と生活費を混同する事にも関連していますが、個人事業主はしばしば事業のためのお金を抜いて自分の生活費に充てたり、逆に個人のお財布から事業のための費用を支払ったりする事があります。

このような費用についても「事業主貸」または「事業主借」といった形で記帳しておく必要があります。

 

現金・預金・支払いの分け方

個人が事業を行っている場合、現金・預金及び支払いを事業費に関するものと個人の生活費に関するもので、どのように分けるのかという事がネックになってきます。

基本的には2つを分けて把握できるように、現金であれば2つの財布を準備します。

口座であれば、2つの口座を準備します。

そして、支払いに関しても事業は事業用の財布と口座から、生活費は個人用の財布と口座から支払うようにします。

以下で詳しく具体的な方法について見ていきます。

 

現金の分け方

現金については個人用と事業用にきちんとわけて管理するようにしましょう。

具体的には財布を2つ準備しておき、事業用の資金は事業用の財布から個人の生活費は個人用の財布から支出するのが理想です。

もちろんお金が足りなくなって、個人用の口座からお金を引き下ろして、事業用の財布に入れたり、個人用の財布から事業用の財布にお金を移動させることもあるでしょう。

そのような場合、後述する事業主借という勘定を用いてきちんと記帳しておくようにしましょう。

 

預金の分け方

 

個人事業主の場合の預金の考え方についてです。

個人として事業を行う事を決めた場合、まずは新しい口座を1つ作るようにしましょう。そして、その口座を事業用の口座としてしまい、個人の口座とは全く別管理するようにします。

このようにする事で、事業用の資金と個人の資金が混ざってしまう事はなくなります。

そして、事業用の資金が不足する場合、事前に個人の口座から事業用の口座に振替を行って対応するようにしましょう。

また、1月に1度など定期的に個人の口座から事業用口座への振替を行うのもいいかもしれません。

 

支払いの分け方

支払については基本は事業に関係するものは事業用の資金から、個人の生活費は個人用の資金から支払うようにすればうまくいきます。

しかし、事業費と個人の生活費のどちらにもまたがる費用があります。

例えば、自宅兼事務所のような形で事業を行っている場合、この自宅兼事務所の家賃はどのように考えればよいでしょうか?

この自宅兼事務所の家賃については基本的に個人用もしくは事業用のどちらの資金から払っても構いません。

ただ、仕訳が若干異なってきます。

 

たとえば、自宅兼事務所の家賃が10万円で自宅分が4万、事務所分が6万だった場合、この家賃を事業用口座で払った時は、

 

(事業主貸)40,000 /(現金預金)100,000

(地代家賃)60,000

 

という仕訳になります。

家賃のうち6万円分は事業用の経費として計上されます。

また、4万円分は事業主への貸付とみなされる「事業主貸」というものに振り分けられます。

これについては後述します。

そして、支払は事業用の口座で行ったため、事業用資金である「現金預金」が減少する事になります。

 

一方、自宅兼事務所の家賃が10万円で自宅分が4万、事務所分が6万だった場合、この家賃を個人用口座で払った時は、

 

(事業主貸)40,000 /(事業主借)100,000

(地代家賃)60,000

 

という仕訳になります。

ここで、「事業主貸」と「事業主借」という勘定については相殺する事が出来ます。

そのため、この2つの勘定科目を相殺すると、

 

(地代家賃)60,000 /(事業主借)60,000

 

という仕訳になります。

家賃のうち6万円分は事業用の経費として計上されます。

また、支払は個人用の口座で行ったため、個人からの借り入れを受けたという意味で「事業主借」という勘定が増える事になります。

この勘定についても後述します。

ここで注意するのは、口座から引き落としたということで、

 

(地代家賃)60,000 /(現金預金)60,000

 

としてしまいそうですが、これは誤りです。

あくまで、現金預金勘定は事業用の口座からの引き落としか、事業の財布からの出費が行われた場合のみ使います。

 

 

費用にならない科目「事業主貸」「事業主借」

 

上記の文章でも触れましたが、個人が事業を行っている場合には事業のための資金と個人の生活のための資金が混同されてしまう場合があります。

個人の口座Aと事業用の口座Bがあったとします。

例えば、事業に使っている携帯料金5,000円をコンビニで支払おうとした時に持ち合わせのお金がなかったため、ATMから引き落とす事になったとします。

その場合に近くに口座Bがある銀行のATMが無かったため、口座Aからお金を引き落として、事業用の携帯料金5,000円を支払うとします。

このような費用は会計では会社が事業主という個人からお金を借りたという取引で認識します。

この事業主という個人から借りたお金の事を「事業主借」と呼び、記帳する場合はこの事業主借という勘定科目を使って記帳する事になります。

この場合に記帳される仕訳は、

 

(通信費)5,000 /(事業主借)5,000

 

という仕訳になります。

 

これとは逆に、例えば事業主が自宅の光熱費10,000を払う時に、事業用の口座Bからお金を下して、支払ったとします。

この場合、会計では会社が事業主という個人にお金を貸し付けたと考えます。

この事業主という個人に貸し付けたお金の事を「事業主貸」と呼び、記帳する場合はこの事業主貸という勘定科目を使って記帳する事になります。

この場合に記帳される仕訳は、

 

(事業主貸)10,000 /(現金預金)10,000

 

という仕訳になります。

このように会社のお金と個人のお金の間で発生するやり取りはきちんと事業主貸もしくは事業主借という形で記帳しておく必要があります。

 

消費税の記帳の仕方

 

ところで、日本で生活しているうえでは切っても切り離す事の出来ない税金としては消費税というものがあります。

当然、事業を行っていく上でもこの消費税については把握しておく必要があります。

会計において、この消費税を記帳する方法には2つの方法があります。

1つ目の方法が税込経理方式というものです。

税込経理方式というのは仕入や売上その他の仕訳を行う際、記帳する金額は税込みの金額で記帳するというものです。

例えば、108万円の車を現金で購入した場合を考えます。

この場合の仕訳としては、

 

(車両)1,080,000 / (現金預金)1,080,000

 

という仕訳が記録される事になります。

このように税込みの金額で記帳を行うのが税込経理方式の特徴です。

 

また、もう一つの消費税の処理方法に税抜経理方式というものがあります。

これは消費税の金額について、「仮払消費税」及び「仮受消費税」という金額に分けて記帳するという方法です。

上記の108万円の車を購入した場合の仕訳をこの方式で行った場合には、

 

(車両)1,000,000 /(現金預金)1,080,000

(仮払消費税)80,000

 

という形で消費税を分けて記帳する事になります。

ちなみに、消費税については自分が相手に払った場合には仮払消費税として処理されますが、自分が消費税を受け取った場合には仮受消費税という勘定科目で処理されます。

例えば、100万円の商品を税込みで108万円で売り上げた場合には、

 

(現金預金)1,080,000 /(売上)1,000,0000

(仮受消費税)80,000

 

という形で処理されます。

そして、期末の時点でこの自分が払った消費税の金額と受け取った消費税の金額を相殺して納税額を出すのが消費税の考え方になります。

 

まとめ

上記の文章では個人事業主については事業費と生活費をきちんと区別する事が大切だと述べてきました。

基本的には事業用と個人用で財布と口座を完全に分けてしまう方がよいでしょう。

そして、この事業用の財布や口座と個人用の財布や口座の間でお金の行き来があった場合には事業主貸及び事業主借という勘定で把握するようにしましょう。

また、個人で事業する場合に関わってくる消費税についても2つの記帳方法がある事を押さえておきましょう。

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