個人事業主の確定申告情報や会計ソフトを紹介

個人事業主の確定申告

確定申告で青色申告をすると受けられる様々な税金面のメリット

「青色申告」という言葉を聞いた事がある人は多いのではないでしょうか?
確定申告の時期になると頻繁に耳にする言葉が青色申告というものになります。
サラリーマンのような給与所得者にはあまり関係がありませんが、個人で事業を行っている個人事業主にとっては確定申告を青色申告で行う事で様々な税金面のメリットを受ける事が出来ます。
今回の記事では青色申告を行う事で受けられる様々な税金面のメリットについて説明していきます。

 

青色申告の仕組みについて

青色申告というのは確定申告における申告方法の1つになります。
この申告方法では申告者が行っている事業の内容についてその費用や収入を記録した帳簿を備え付ける事を条件に税金面で様々なメリットを与えるとされています。
昔は申告を行う際の申告書の色が青色だったため、青色申告という名前で呼ばれるようになりました。
これとは別に白色申告というものもあります。
旧来の白色申告は費用や収入を記録した帳簿を備え付ける必要がない代わりに、税金面のメリットを受ける事が出来ないというものでした。
しかし、白色申告には税金面のメリットは受けられない代わりに、費用や収入を記録した帳簿をつける必要がなく事務の負担が少なくなるというメリットがありました。
そのため、あえて白色申告を選ぶという人もたくさん存在しました。
しかし、平成26年より白色申告でも費用や収入を記録した帳簿を作成する事が義務付けられたため、白色申告のメリットはほとんど無くなりました。
今後は青色申告が主流になっていくと考えられています。

 

青色申告を行う事で受けられる具体的な税金面の8つのメリットとは?

上記の文章では青色申告とは何かという事、そして青色申告の形式には2つの形式があるという事を説明してきました。
また、青色申告を行う事によって得られる税金面のメリットには大きく3つのものがあります。
それが、「青色専従者給与」、「青色申告特別控除」、「赤字の3年繰越」というものです。
以下の文章ではそれぞれの内容について説明していきます。

 

青色申告で受けられる「青色専従者給与」のメリットとは?

まず最初に取り上げる青色申告のメリットが「青色専従者給与」という制度です。
この青色専従者給与というのは、家族に払った給料を費用とする事が出来るという制度です。
利益が出そうだと推測される場合には、この仕組みを使う事で税金を減らせるというメリットがあります。
例えば収入が200万円、費用が100万円だとすると、所得は「収入-費用」で計算されるため、200万円-100万円=100万円となります。
この場合に税率が50パーセントと仮定して納税額を計算すると、

1,000,000×50パーセント=500,000

となり、納税額は50万円になります。
しかし、事前に節税策を検討しておいて、その際に青色専従者給与のメリットを最大限生かす事にして家族に100万円を青色専従者給与として支払っていたとします。
そうすると、収入が200万円、費用は100万+100万(青色専従者給与分)となります。
その結果、所得は200万円-(100万+100万)=0円となります。
結果として、納税額は0円になり、50万円分の節税になります。
また、専従者給与は家族に払ったものになるので、結果として100万円は家庭に残る事になります。
このようなメリットがあるのが青色専従者給与という制度です。

 

青色申告で受けられるメリット「青色申告特別控除」の65万円控除とは?

次に青色申告をする事で受けられる「青色申告特別控除」というメリットについて説明していきます。
「控除」というのはある金額から差し引く事が出来る金額の事を言います。
確定申告では、納税額の計算のもととなる所得の金額から一定額を差し引く事が出来る「所得控除」、実際に計算された納税額の金額から一定額を差し引く事が出来る「税額控除」という2つの控除項目が設けられています。
今回述べていく青色申告特別控除は所得控除というものにあたります。
単式簿記で帳簿を作っている場合は10万円が、複式簿記の場合には65万円が控除されるというものになります。
例えば、所得の金額が70万円で、税率が50パーセントと仮定した場合の話をします。
その場合に青色申告を行っていなければ、

700,000×50%=350,000

という計算が行われ、納税額は35万円となります。
しかし、複式簿記の帳簿を使って確定申告を行い青色申告特別控除の65万円が認められた場合は、

(700,000-650,000)×50%=25,000

このような計算が行われる事になります。
つまり、この例で言えば納税額が2万5千円になり、32万5千円分の納税額が減る事になります。
このようなメリットを受ける事が出来るのが、青色申告特別控除です。

 

青色申告で受けられる「赤字の3年繰越」のメリットとは?

最後に紹介するのが「赤字の3年繰越」のメリットです。
この制度は青色申告をしている納税者の事業で赤字が発生した場合、その赤字を3年にわたって繰り越す事が出来るという制度です。
例えば、ある年に大きな損失があって、赤字が300万円発生したとします。
この300万円の赤字は翌年以降に繰り越す事が出来ます。
そして、次の年に200万の黒字が出た場合、税率が50パーセントと仮定すると本来なら、

2,000,000×50%=1,000,000

となり、100万円の納税が必要になります。
しかし、この赤字の3年繰越の制度を使うと、200万円の黒字から昨年の赤字分を相殺する事ができます。
つまり、所得の金額が「200万-200万(昨年の赤字分300万のうちの200万)」となり、0円になります。
結果、この年の納税額は0円となり、100万円の節税になります。
また、使っていない100万の赤字分は翌年以降も繰り越される事になります。
このように損失が出た場合も、その損失を3年間持ち越して納税額を減らす事が出来るという特典が赤字の3年繰越です。

 

30万円未満の減価償却資産は一括で経費計上することも可能

青色申告を行っている事業者には他にも減価償却の特例が認められています。

その特例というのが30万円未満の減価償却資産であれば、購入した年に一括で経費として費用計上する事が出来るという「少額減価償却資産の特例」というものです。

この特例を適用する事が出来るのが青色申告を行っている事業者のメリットになります。

 

通常は、パソコンなどの資産を購入した場合には法定耐用年数に従って、定額法もしくは定率法といった方法で費用計上していく事になります。

例えば、収入が100万円上がっている年に、20万円のパソコンを買ってきたとして、普通の減価償却をしか認められず、その年は10万円しか費用にする事が出来なかったとします。

その際に税率が50%と仮定したら、

 

1,000,000(収入)-100,000(費用)=900,000(所得)

900,000(所得)×50%=450,000

 

となり、納税額は45万円になります。

 

しかし、この事業者が青色申告事業者で「少額減価償却資産の特例」を使えた場合に同じ条件で計算を行うと、20万円を一括で費用にする事が可能になります。

そのため、

 

1,000,000(収入)-200,000(費用)=800,000(所得)

800,000(所得)×50%=400,000

 

となり、納税額は40万円になります。

この「少額減価償却資産の特例」を使わない場合と比較すると、5万円の節税効果が見込める事になります。

 

自宅オフィスで、家賃や電気代の一部も経費に計上できる!

青色申告事業者が受ける事が出来る税金上のメリットの1つに自宅の家賃や電気代などについて一部を経費とする事が出来るというものがあります。

例えば、自宅で仕事をしているフリーランスなどであれば、所得税法の考え方によって、家という場所が自分の自宅としての機能と、個人事業主のオフィスとしての機能を兼ねているとみなされるようになります。

そのため、自宅の家賃や電気代などが事業にかかった経費として認められるようになります。

しかし、自宅の家賃や電気代の全額が経費として認められる訳ではありません。

あくまでも合理的な基準で自宅として使用している分とオフィスとして使用している分といった形で按分する事になります。

按分する基準には様々なものがありますが、一例としては面積で按分する方法があります。

例えば、自宅の家賃が9万円で、オフィスとして使っている部屋の面積が自宅全体の1/3という場合は、

 

90,000×1/3=30,000

 

となり、3万円分は経費として計上する事が可能になります。

 

棚卸資産(在庫)の評価損を経費に算入出来るメリットも!

青色申告のメリットの中には棚卸資産の評価損を経費に出来るというものがあります。

では、この棚卸資産の評価損とは何なのでしょうか?

棚卸資産とは一般的な言葉で言えば、在庫の事です。

 

例えば、車の販売店を仮定して考えてみましょう。

この車の販売店が12/31時点で100台の車を持っていたとします。

この100台の車は在庫であり、車の販売店が持っている資産として「青色申告決算書」では棚卸資産という項目に計上されます。

この車を1台10万で買っていたとしたら、10万×100台で1,000万円の資産を持っているとされます。

しかし、ここで青色申告事業者は「棚卸資産の評価損」というものを計算して、経費計上する事ができます。

12/31の時点で一定の計算式を用いて、現在の棚卸資産である車の価値を算定します。

その結果、棚卸資産である車の価値が1台5万まで下がっていたとします。

この時、購入時の価格10万円と、12/31時点での車の価値5万円の差額である5万円の事を「棚卸資産の評価損」と言います。

この5万円分の棚卸資産の評価損を経費に計上出来るというのが、青色申告事業者のメリットです。

つまり、車という棚卸資産の評価損は1台につき5万円で、これが100台分なので、

 

50,000×100=5,000,000

 

つまり、500万円が評価損として追加で費用に計上できる事になります。

 

売掛金や未収金に対する貸倒引当金を費用計上する事も可能!

売掛金というのは売上の後払いです。

例えば、3/1に100万円を売り上げたけれども、実際にお金をもらえるのは4/30という場合にはその100万円の売上はきちんとお金をもらうまで、売掛金という資産であるとされます。

また、未収金というのは売り上げたけれども、お金がもらえるのは1か月後とか、2か月後というもので売掛金のようなものです。

しかし、自分の事業で取り扱っている商品以外のものを売った時に計上されるものになります。

たとえば、八百屋が野菜を売った時にその入金が1か月後になる場合は、自分が事業で扱っている商品の売り上げになるので、売掛金が計上されます。

しかし、八百屋が自分が使っているパソコンを中古のパソコンショップに売りに行って、そのお金が1か月後に入るといった場合は、自分の事業で扱っている野菜の売上ではないので、未収金と認識されます。

 

この売掛金や未収金ですが、入金が一か月後や二か月後になるため、その時になって売上げた先が倒産してしまったなどの理由でお金がもらえなくなる場合があります。

倒産などの理由で、売掛金・未収金が回収できなくなる事を貸倒れと言います。

この貸倒れに備えるため、例えば持っている全ての売掛金の5%といったような一定の比率の金額を年末時点で、貸倒引当金という形で決算書に計上しておくことができます。

この決算書に計上したその年の貸倒引当金分の金額を税金計算を行う際に費用として取り扱い、所得から差し引く事が出来るというメリットが青色申告事業者にはあります。

 

例えば、年末時点で売掛金が1000万円あり、その1%を貸倒引当金として計上できるならば、

 

10,000,000×1%=100,000

 

10万円の金額が貸倒引当金として経費に追加で計上できます。

 

機械、ソフトウェア、工具器具備品等の特別償却と税額控除が受けられる

政府は政策上の目的を実現するために臨時で「租税特別措置法」というものを使い、様々な税金上の優遇措置を制度化する事があります。

このような税金上の優遇措置を受ける条件として青色申告をしている事が条件になっている場合があります。

つまり、青色申告事業者であればこのような税金上の優遇措置を受けられる機会が増えるというメリットがあります。

 

このような税金上の優遇措置の代表例として「中小企業投資促進税制」というものがあります。

これは政府によって要件が設定されており、その要件を満たす機会やソフトウェアまたは工具器具備品等を購入した時に、30%の特別償却か7%の税額控除を受ける事が出来るというものです。

 

特別償却とは普通の減価償却で費用に出来る金額に加えて、その資産を取得した際の金額の30%を減価償却費に加算できるというものです。

例えば、200万円のコンピュータを購入した場合、普通の減価償却で20万円が経費に出来るとしたら、それに加えて、200万円×30%=60万円の金額を経費とする事が出来るというものです。

結果として、取得した年に減価償却費として経費に出来る金額が60万円増える事になります。

例えば収入が100万円で、経費としては減価償却費の20万だけで、税率を50%と仮定すると、

 

(1,000,000-200,000)×50%=400,000

 

となり、40万円の納税額となります。

しかし、この特別償却を使うと、経費に特別償却の60万円が加わり、80万までが経費計上できる事になります。

したがって、

 

(1,000,000-800,000)×50%=100,000

 

となります。

つまり、10万円の納税額となり、30万円の節税を見込む事ができます。

 

また、税額控除というのはその名の通り、税金の金額から差し引く事が出来るというものになります。

特別償却との違いは所得から引くのではなく、直接税額から引いてしまうという事です。

例えば、特別償却の計算と同じ仮定で計算を行うと、

 

(1,000,000-200,000)×50%=400,000

 

となり、40万円の納税額となります。

この40万円から差し引くことが出来るのが税額控除です。

取得金額の7%の減価償却が認められているので、200万円×7%=14万円となります。

つまり、この場合は

 

400,000-140,000=260,000

 

となります。

したがって、14万円の節税となります。

この場合については特別償却の方が節税上は有利になりますが、状況によっては税額控除の方が有利になるケースもあります。

このような措置を比較検討しながら、最も節税効果の高い選択肢を選んでいく事になります。

 

まとめ

上記の文章では青色申告をした場合に受ける事が出来る税金面のメリットについて述べてきました。
個人事業主の場合にはどれも節税上、非常に大きなメリットになります。
まだ、青色申告をしていない事業主の方はこれを機に青色申告をする事を考えてみてはいかがでしょうか。

更新日:

Copyright© 個人事業主の確定申告 , 2020 AllRights Reserved.